R氏の本棚

日々の読書記録

ミステリー

設定から結末まで意表をつかれっぱなしー黒牢城/米澤穂信

舞台は織田勢に包囲された有岡城、主人公かつ探偵役は戦国武将荒木村重、彼とタッグを組むもうひとりの探偵は地下牢に閉じ込められた黒田官兵衛。すごい設定だ。 包囲下の城は密室に近いが、出入りの方法がなくはない。戦国時代だから殺人は日常茶飯事だが、…

辻真先、健在なりーたかが殺人じゃないか/辻真先

物語の舞台は、街にも人にも戦争の跡が色濃く残る昭和24(1949)年の名古屋(と一部は豊橋近郊の温泉地)である。空襲で破壊されたままの建物が残り、100m道路はまだ存在しない。1951年の講和条約前であり、街には進駐軍が闊歩している。 その街で、降って湧…